12月24日  クリスマスの特別ディナー

 メリークリスマス!今日は12月25日、クリスマスです。今年はイブが日曜日ということで、ご家族やご友人、大切な方と一緒に過ごされた方も多かったのではないでしょうか?
 アルテミスでは、昨日24日の夕食にてクリスマスの特別ディナーをご提供しました。入院中の患者様に、少しでもクリスマスの雰囲気を感じていただければと思い、病院からの特別サービスです!
 
 料理はこちら。
〈ポテトサラダツリー、ローストポークのオレンジソース、シチューのパイ包み、ラズベリーのケーキ〉

 ローストポークは、ゆっくり低温で焼くことでしっとり柔らかい食感に。手作りのオレンジソースは、甘さ控え目なちょっぴり苦みのある大人の味。お肉にかけると、さっぱり爽やかな味わいがお楽しみいただけます。ふっくら焼きあがったパイ包みの中には、野菜とお肉たっぷりのクリームシチューが入っています。熱々で、体がホッと温まりますね。デザートは、甘酸っぱいラズベリーのゼリーが塗られたショートケーキ。フレッシュな苺とブルーベリーを可愛くトッピングしました。

 ポテトサラダツリーは、シェフがツリー型にポテトを積み上げ、周りにロマネスコカリフラワー、ブロッコリーミニトマトを飾りました。実はこれ、アルテミスの定番なのです。シェフも作るのが楽しいようで、毎年トッピングには力が入ります。

「どこから取ればいいかな?」と、お皿に盛るのも楽しくなりますね。ツリーが崩れないよう、慎重に取ってくださっています。

 この他にも、クロワッサンやテーブルロールなど、焼きたてパンのバイキングをご用意しました。皆様お腹いっぱい食べて、とっても喜んでいただけたようです。
 それでは患者様が召し上がっている様子をご紹介します!

 同じ出産時期のお友達とご一緒です。

 こちらはご夫婦の方々。

 お帰りの際には、クリスマスプレゼントをお渡ししました。

※患者様の許可を得て、掲載しています。

 チョコレートが入った、クマのポーチです!

 アルテミスでのクリスマスイブの思い出として、いつまでも心に残っていただければ嬉しいです。
 退院後は、育児や家事にお忙しい日々を迎えることと思います。年末年始に向けて、これからますます寒くなっていきますが、体調に十分気を付けてお過ごしくださいね。 


 







 
 
 

 風邪予防にばっちり! 生姜料理をご紹介します。

 こんにちは。管理栄養士の横道友理子です。
 クリスマスまであと少し!アルテミスでは、正面入り口の周りにイルミネーションを飾り、煌びやかで温かい光が患者様をお出迎えしています。
 来院される方、そうでない方にも、アルテミスの前を通る際に喜んでいただければ嬉しいです。

 さて、寒さも本格化しきた今日この頃、風邪などひいていませんか?体温が下がるとウイルスに冒され、免疫力が低下されやすいです。栄養バランスはもちろん、身体が温まる食品を摂って、この冬も元気に乗り切りましょう。
 今回は、今の時期におすすめの、風邪予防にばっちり ”生姜料理”をご紹介します。

まずはこちら。

『生姜粥』

 生姜としらすをたっぷり入れ、小松菜とクコの実を盛りつけた彩り豊かな中華粥。食べるうちに、体がじんわり温まるのが実感できます。味付けは鶏がらだしをベースに、塩と醤油でシンプルに仕上げました。しらすのうま味効果により、余分な塩分を加えなくても十分美味しく召し上がれます。


 次はこちら。
『ジンジャースープ』

 コンソメスープに、生姜を加えたジンジャースープ。飲むと汗が出るほどに、代謝が上がるのがわかります。ちょっぴり辛みが効いていて、風味がよくさっぱりした味わいです。コンソメのみで味付けするより、塩分が抑えられるのも減塩のポイント。
 
 生姜は、血液の循環を良くして代謝を上げたり、免疫力の向上や殺菌効果がある万能食品。中国では、紀元前500年頃、既に薬用として使用されていたそうです。
 発汗を伴って身体から余分な熱を出す効果があるので、風邪のひきはじめや熱がある場合、寒気がする時におすすめですよ。
 
 生姜には、辛み成分のジンゲロールが含まれます。ジンゲロールは、免疫細胞に働きかけて免疫力を活性化させたり、血流を促進させることで体温を上げ、免疫力を向上させます。その他、吐き気を止める作用もあるので、つわりや乗り物酔いにも効果的です。気管支炎などの炎症を引き起こす細菌を攻撃する力も持っているため、直接的に細菌などを撃退する働きもあります。

 ただ、注意していただきたい点が一つ。ジンゲロールは、血流を良くして身体の深部にある熱を手先や足先に運びますが、その分深部の熱が奪われ、逆に身体を冷やしてしまうのです。
 ですが、熱を加えることで効能が変化し、深部に熱を作りだすよう働きかけます。生姜が良いと言っても、調理の仕方によって効果が変わってしまうとは、驚きですね。
 風邪予防や殺菌作用には”生”の状態で、冷え性には”加熱”した生姜をお召し上がりいただき、ご自分にあった食べ方をしてみてくださいね。


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レシピはこちらです。

『生姜粥』
【材料】4人分
玄米     180g
水     1000g
しらす干し   40g 
鶏ガラだし  120g
生姜       8g
醤油     1.5g
塩        1g

松の実      12g
クコの実     8g
小松菜     80g

【作り方】
1.しらすは、フライパンでから煎りする。
2.生姜は2cmの千切りにする。
3.小松菜は、3cmにカットして茹でておく。
4.鍋に米、水を入れて強火にかける。沸騰したら弱火にし、30分ほど炊く。
5.お粥の状態になってきたら、しらす、生姜を加え、2〜3分したら鶏ガラだし、醤油、塩を加えて軽く全体を混ぜる。
5.器に5を入れ、小松菜、松の実、クコの実を乗せる。

しらすはそのままでも美味しいですが、から煎りすると香ばしさが出ます。醤油を少量加えることで、風味良く仕上がりますよ。

『ジンジャースープ』
【材料】4人分
玉ねぎ   120g 
オリーブ油   3g
生姜     10g
水     150g
コンソメ  8g
醤油      2g
パセリ    少々

1.生姜は千切りし、玉ねぎは薄くスライスする。
2.鍋にオリーブ油を熱し、玉ねぎを炒める。
3.水を入れ、沸騰したらコンソメ、生姜を加える。
4.仕上げに醤油を回し入れ、盛る直前にパセリをふる。

※生姜は千切りでなくても、すりおろしても大丈夫です!ただ、チューブタイプのものは添加物が多く、生姜そのものの含有量は少なくなるので、できれば生での使用がおすすめです。
 
 これからまだまだ寒くなりますが、体を温めて体調には十分お気を付けくださいね!

 
 

 新潟県妙高産の新米コシヒカリを提供しています!

こんにちは。管理栄養士の横道友理子です。今年も食欲の秋が到来!新米の季節です。アルテミスでは、10月9日より新米に切り替わりました。

 

この時期になると、契約農家の丸山さんから『新潟県妙高コシヒカリ特別栽培米』を入荷します。妙高市は、冬は日照時間が短く降雪が多いこと、夏は日照時間が長く降水量が少ないことで、米作りに最適です。更に、山々から流れる雪解け水や伏流水により、甘味や粘り、艶の三拍子がそろった最高級のお米が出来上がるのです。
 
丸山さんが撮影してくださった、稲穂の様子です。澄み渡った空気のもと、ぐんぐんと大きく伸びていますね。

 

ところで、”特別栽培米”とは、ご存知でしょうか?
 
それは、農薬の使用回数と、化学肥料の窒素成分を通常の5割以下に抑えて栽培したもの。農林水産省が定めるガイドラインによると、『その農産物が生産された地域の慣行レベル(各地域の慣行的に行われている節減対象農薬及び化学肥料の使用状況)に比べて、節減対象農薬の使用回数が50%以下、化学肥料の窒素成分量が50%以下、で栽培された農産物』と書かれています。自然の力に重点を置いたこの栽培方法は、土壌の性質に由来する農地の生産力を発揮させたり、農業生産における環境への負荷を低減させると言われています。農家の方々が丁寧に、丹精込めて育てた”特別栽培米”は、安全で安心の体に嬉しいお米であり、自然に優しい貴重な農産物なのですね。

召し上がった患者様からは、「モチモチして美味しかった。」「お米の味がしっかりしていた。」「光っていて硬さもよかった。」などの感想を頂きました。アルテミスでは、玄米のまま入荷し、院内の精米機で搗きたてのお米を炊いています。こうすることで、お米の酸化を防ぐことができ、よりふっくらと美味しいご飯が炊きあがるのです。
 
せっかくの美味しい新米。おにぎりにして食べると、もっと美味しくなると思いませんか?入院患者様には新米の握り立ておにぎりをカフェテリアで提供しています。つやつやのご飯に、出来立ての具材がたっぷり入ったおにぎり!スタッフの愛情も詰まって、美味しいこと間違いなしです!
 

おにぎりの具材は、鮭といくら、梅干し(大葉入り)、おかか、シーチキンマヨの4種類。鮭は身がふわっと柔らかく、いくらがのってちょっと贅沢な気分に。梅干しは塩分3%のものを使用しているので、塩分制限されている方も安心です。中には大葉を混ぜ、爽やかな風味が広がります。定番のシーチキンマヨには無添加マヨネーズ『松田のマヨネーズ』を使用しました。

皆様とっても楽しそうに召し上がっていますね。

こうしたイベント事があると、会話も自然と弾みます。

※患者様の許可を得て、掲載しています。

最後に、新米の炊き方をお伝えします。新米は、古米に比べて水分含有量が多く、また吸収率も高いため水の量や浸水時間、研ぎ方に注意が必要です。

1.お米の研ぎ方 
 ・ボールに水をたっぷり入れ、お米を入れます。
 ・さっとかき回せたらすぐ水を捨てます。
 ・水が半透明になるくらいまで3〜4回水を入れ替えてお米を洗います。
 ※新米は柔らかいため、お米の表面に傷がつきやすいです。風味も落ちてしまうので、優しくさっと洗いましょう。ポイントは、手指を立てて力を入れず、円を描くように研ぐことです!
 
2.浸水
 ・2時間〜3時間浸水します。
 ・お米を研ぐ時に入れる最初の水と、炊飯時の水に、天然水(軟水)を使用しますとお米のおいしさが更に引き出されます。

3.炊飯
 ・水分量は、炊飯器にある目盛りより、少し少な目にします。お米1合(150g)で200ccのところを、190ccに減らす程度です。
 ※炊きあがったお米は、下から上に返すようにほぐしてください。炊き立てのお米は、温度を70度以下に下げないと色が黄ばんだり、でんぷん質が固まってしまいます。

 このように、ちょっとポイントに気を付けるだけでより美味しく召し上がれます。
 ぜひ!皆様もやってみていただければと思います。

 10月4日 十五夜 『お月見最中』

 こんにちは。管理栄養士の横道友理子です。
 本日は10月4日『十五夜』です。十五夜とは、新月から数えて15日目のことを指し、満月(又は満月に近い)お月様が見られると言われています。今日は秋晴れとなり月も綺麗に見られるとのことですが、夕方以降から冷え込むようです。温かくして、お月見を楽しんでいただければと思います。
 
 十五夜に因み、4階カフェテリアの入り口には大きなススキとお団子、旬の野菜や果物を並べました。

 十五夜には、秋の収穫を祝うという意味も込められています。農作物はもちろん、お米が無事に出来たことを感謝すると同時に、次期の豊作を祈願するため、お供えする習慣があります。

 月見団子の形は、月に見立てて丸くしていることが多いですが、地域によっては違うところもあるようです。関東では丸くしますが、関西は楕円形にして餡子で包んだり、静岡県では真ん中をへこませて餡子を乗せたりと、食べ方も様々です。

 アルテミスでは、白玉団子の下に餡子を敷き、甘栗をトッピングしてちょっとお洒落に仕上げました。こちらは、本日の昼食でご提供しています。

『お月見最中』

 最中に敷いた餡子は夜空を、甘栗はお月さまを表しています。夜空に浮かぶ月の光のもと、小さな白玉団子が3つありますが、こちら、どうして3つなのかというと・・・

 2つをお母様とお父様。もう1つをお子様にし、3人で仲良くお月見している様子を表しているのです。お菓子の中に、こんな温かい物語があるなんて、食べるのが楽しみになりますね。最中の皮はサクッと香ばしく、中はモチモチのお団子に甘栗。そしてたっぷりの粒あんが詰まって、それぞれの甘さや食感が口の中で広がる豪華な『お月見最中』。 召し上がった患者様からは、「盛り付けが可愛い!」「餡子が甘すぎず美味しかった。」「そう言えば十五夜ですよね〜。」などの感想をくださり、十五夜の雰囲気を楽しく美味しく感じていただけたようです。
 
 皆様のご家庭でも、美味しいお団子を食べながら楽しい十五夜をお過ごしいただければと思います。
 
 

 アルテミスの食事へのこだわり 〜減塩について〜

 こんにちは。管理栄養士の横道友理子です。
 夕方になると心地よい風が木々を揺らし、過ごしやすい季節となりました。空もすっかり秋模様ですね。
 
        〈屋上庭園より撮影〉

       
 さて、おいしいブログでもそろそろ秋の味覚についてご紹介したいところですが、今回は皆様にお伝えしたいことがあり、いつもとはちょっと違う視点でお話します。それは、”減塩の大切さ”についてです。
 
 コンビニやファーストフード店など、外食産業が多くなった今、便利で良いとは裏腹に、添加物や塩分が多いという難点があります。忙しいと、どうしても頼りがちになりますが、この味になれてしまうと濃い味付けが習慣付いてしまい、塩分の過剰摂取を起こしやすいです。塩分を摂り過ぎると、血液中の塩分濃度が上がらないよう、水分で薄めようとします。すると、体内の水分が多くなり、血液量も増えることで血圧が上がってしまいます。また、濃い味付けは食欲を増進させて肥満を招きやすいです。「白ご飯のみでは食べにくいけど、混ぜご飯ならどんどん食べられる。」という方、いらっしゃいますよね。塩分が多い食事は、糖質も多くなる傾向にあります。
 また、妊産婦の方は体内の水分や血液量が増すことで、血圧が上がりやすいです。妊娠高血圧症候群になってしまうと、胎盤の機能が低下して赤ちゃんへの栄養が不足してしまうので、この時期は特に気をつけなければなりません。

 アルテミスのお食事は、1日の塩分を10g未満にしています。病院食というと、味が薄くて地味という印象をお持ちの方がいらっしゃると思いますが、そんなことはありません。素材の味を生かし、余分な塩分を加えなくても美味しく感じられるよう工夫を凝らしています。
 
 では、どうすれば美味しく減塩できるのでしょうか?
 
 それは、天然出汁を使うこと。毎日昆布とかつお節で出汁をとり、汁物はもちろん、煮物やお浸しなど様々な料理に使用します。かつお節はイノシン酸、昆布はグルタミン酸という旨味成分を持ち、これら二つが合わさることで美味しさが倍増するのです。因みに市販の粉末出汁は、塩やアミノ酸などの添加物が含まれるものがほとんどなので、知らず知らずのうちに塩分が過剰になっていることがあります。時間がないとつい使いたくなりますが、体のことを考えると、極力避けたほうが良いですね。

 こちらは、厨房で出汁をとっている様子です。前日に昆布をつけておき、翌朝たっぷりのかつお節を入れてひと煮立ちさせます。写真で見るとわかりにくいですが、直径1メートルほどの大きな寸胴鍋を使い、毎日丁寧に作っているのです。


 入院中の患者様にお食事の感想を伺うと、「入院当初は味が薄いと感じたけど、慣れてくると普通になりました。」「ここで食べて、自分の味付けがいかに濃かったか気づかされました。」などのお声を頂きます。こうして実際に召し上がっていただくことで、今までの食生活を見直すきっかけとなり、さらに退院後の食事の参考にもなっていただければと思います。

 ご家庭での出汁の取り方をご紹介します。
〈材料〉
昆布    8g
かつお節 16g
水   800ml


〈準備〉
1.昆布は、固くしぼった布巾などでさっと拭く。(表面の白い粉は旨み成分なので、水洗いはしない。)
2.水800mlを鍋にいれ、昆布を漬けておく。(前日に行うほうが望ましいですが、当日でもOKです。その場合、3時間前には入れておくと良いでしょう。)

〈作り方〉
1.鍋に火をかけ、昆布の周りがぷつぷつ泡が出てきたら火を止め、昆布を取り出す。(沸騰してまうと、昆布の粘りが出てしまうので沸騰直前に取り出します。)
2.かつお節を鍋全体に入れ、1分間ほど煮立たせる。
3.火を止め、かつお節が下に沈むのを待つ。
4.万能こしきにクッキングペーパーを敷き、かつお節をこす。(かつお節をを箸でぎゅーっと押してしまうと、渋みが出てしまうので軽くこす程度にします。)

 一度にたくさん作って、冷蔵又は冷凍するのもおすすめです。ただ、保存期間が長くなるにつれて匂いや旨味が減少するので、冷蔵の場合は2日程度、冷凍なら3週間を目安に使い切ったほうが良いですね。離乳食からでも安心してお使いいただけますので、お時間ある時などぜひやってみてくださいね。






 

夏季限定!冷製パスタをご紹介します。

 こんにちは。管理栄養士の横道友理子です。
 ここ最近は、突然雨が降ったり不安定なお天気が続いています。台風も多い時期ですね。外出の際は、足元など十分お気を付けください。

 さて、本日は夏季限定メニュー『冷製ペスカトーレ』をご紹介します!もちっとした麺が好評のアルテミスのパスタ。今回は夏らしく、さっぱりと冷製に仕上げました。イタリアン専門の奥山シェフ”自信作”です!

『魚介のうまみたっぷり! フレッシュトマトの冷製ペスカトーレ

 赤と黄色のミニトマトを彩りよく盛り付け、ぷりっぷりの海老やあさり、大きなムール貝などの魚介類をふんだんに使った、贅沢な一品。味付けはシンプルですが、それぞれの素材の美味しさが合わさり、まるで本格イタリアンに来たような気分に。
 召し上がった患者様からは「にんにくが効いて美味しい!」「さっぱりしてて食べやすい!」「盛りつけが豪華で驚きました」などの感想をいただき、目と舌で美味しく味わっていただけたようです。
 海老の真ん中にバジルが刺してあるのは、今回のポイント(By奥山シェフ)。食べた瞬間バジルの香りがふわ〜っと漂い、トマトと魚介の旨みが口の中で広がります。
 
 ペスカトーレとは、日本語で訳すと”魚師”というそうです。魚師が、売れ残った魚や稚魚などをまとめてトマトソースで煮込んだことが、名前の由来にあるとのこと。これがスパゲッティーのソースとして次第に親しまれ、イタリア料理には欠かせない、パスタの定番となりました。今はトマトの美味しい時期でもあり、味も栄養もぐんとアップしています。
 トマトは、ビタミンCやクエン酸リコピンカリウムなどが豊富です。暑くて夏バテした体には、ビタミンCやクエン酸の摂取で代謝が促され、疲労回復に効果的。リコピンは、強い抗酸化作用を持つことから美肌、美白を導きます。また、血糖値や中性脂肪コレステロールを下げたりと、血液をきれいにする働きもあるので、生活習慣病の方や、この夏体重が増えてしまった方にはおすすめです。カリウムは、体内の余分な塩分を排出してくれるので、高血圧の予防に繋がります。
 リコピンについては、トマトよりもミニトマトの方が、赤いミニトマトよりも黄色いミニトマトの方が含有量や吸収率が上がります。更に、加熱をしたり油と一緒に調理すると吸収率がより高まるので、トマトを煮込んだソースとして召し上がるのは、とても効率の良い食べ方です。
  
 そして!今回のポイントをもう一つ。写真を見て、麺がとても細いのがわかるでしょうか?これは”カッペリーニ”と言って、パスタの中で最も細く、別名『天使の髪の毛』とも呼ばれています。麺が細いので茹で時間も短くて済み、さっぱりと喉越しが良いので冷製パスタに向いています。
 手作りのトマトソースとカッペリーニの調理法について、家庭用にレシピを作成しましたので、参考になっていただければと思います!
 

*レシピ*
【1人分】
カッペリーニ(乾) 64g
トマト       10g
トマト水煮     10g    
玉ねぎ        3g
砂糖        1.5g
塩         0.3g
オリーブ油     3g
バルサミコ酢    1g

海老        20g
ムール貝      20g(殻付きで約40g)
あさり       30g(殻付きで約60〜70g)
白ワイン      1g
にんにく      0.1g
オリーブ油     0.5g   
塩         0.1g
胡椒        こしょう 少々

ミニトマト赤・黄  各1個
オリーブの実    15g
パセリ       少々
バジル       1g
ビーリーフ    3g


【作り方】
(トマトソースを作る)
1.トマトは湯むきして皮を取り、種を取りのぞいたら乱切りをする。
2.玉ねぎは乱切りする。
3.ミキサーに1と2のトマト、玉ねぎ、トマト水煮、砂糖、塩を入れて10秒ほどかける。一度止めて、オリーブ油をゆっくり入れながら再度ミキサーにかける。

(トッピングの具材の準備)
4.海老は殻をむき、2分ほどボイルして先ほど作ったトマトソースを少し絡めてマリネにしておく。
5.にんにくはみじん切りし、オリーブ油で香りが出るまで弱火で炒める。
6.火が通ったらあさりとムール貝を入れて中火にし、白ワインを回し入れる。
7.蓋をして蒸し焼きし、4分経ったら塩、胡椒で味を調えてパセリのみじん切りを散らす。
8.7をボールに入れ、氷水で粗熱を取ったら冷蔵庫で冷やす。

(麺を茹でる)
1.カッペリーニを3分程茹でて、氷水で冷やす。(氷でしめると硬くなるので、表示されている時間より30秒ほど長めに茹でます。)
2.冷やしておいたトマトソースと合わせ、器に盛りつける。

(仕上げる)
ビーリーフ5〜6枚、ミニトマト赤・黄(1/2カット)、ブラックオリーブスライス、ムール貝、あさり、海老を盛りつけ、最後にバジルの葉を海老の上に乗せる。

〜奥山シェフより皆様へ〜
 トマトソースは、冷たいドレッシングタイプなのでミキサーがあれば簡単に作れます!あとは彩りを良くして色んな魚介類を入れれば、見た目も豪華にボリュームのある仕上がりになります。

 この夏、手作りトマトソースに挑戦し、イタリアンな気分をお家で味わってみませんか?

7月25日は『土用の丑の日メニュー』をご提供しました! 

 こんにちは。管理栄養士の横道友理子です。
 眩しく光る太陽の下、セミも元気に鳴き始めてきました。皆様はこの夏、どこかお出かけされるのでしょうか?夏バテなどしないよう、栄養と睡眠はしっかりとってくださいね。
 さて、昨日7月25日は土用の丑の日でした。日本では江戸時代より、この日にうなぎを食べる習慣があります。暑い夏を乗り切るため、栄養豊富なうなぎを食べることは万葉集の中でも詠まれていたようです。
 暑さで食欲が低下し、体もぐったりしがちなこの時期。うなぎを食べて元気にお過ごしいただければと、お食事を『土用の丑の日バージョン』にてご提供しました。

昼食〈うなぎのひつまぶし、茄子とみょうがの胡麻酢和え、奈良漬け、煎茶のスープ、バニラアイスのうなぎパイ添え〉

 国産(愛知県)の貴重なうなぎをかば焼きにした、ひつまぶしのメニューです。うなぎは身がふっくらと厚みがあり、脂がほどよくのって十分な食べ応え。下には錦糸卵、千切りした長芋、アクセントにきざみ海苔を敷きました。錦糸卵の優しい甘さと、長芋のシャキッとした食感がジューシーなうなぎとマッチして、ご飯がよく進みます。うなぎは、冒頭で述べたように栄養がとっても豊富です。中でもビタミンB1、B2、A、Dが多く、疲労回復や風邪予防に効果的。魚の中でも脂質が高くなりますが、DHAやEPAなど不飽和脂肪酸を多く含むので、血液をサラサラにしたり、記憶力や集中力を高める働きが期待できます。
 副菜には、茄子の胡麻酢和えと奈良漬けをお付けしました。今が旬の茄子とみょうがは相性が抜群!みょうがは独特の香りがありますが、これはアルファピネンと言って血液の循環を良くしたり、体温を上げて発汗作用を促します。また、胃を活発化させて食欲を増進させるので、今の時期にはぴったりな食品と言えますね。奈良漬けは、まくわうりを酒粕で漬けたもの。口に入れるとふわ〜っとお酒の香りが広がり、箸休めにちょうど良い一品です。
 最後の締めは、お茶漬けにしてさっぱりと召し上がっていただきました。奥に見えるポットがお茶漬け用の煎茶スープ。煎茶に出汁としょうゆ、塩を加えたとってもシンプルなスープです。同時に二つの美味しさが楽しめるなんて、ちょっと得した気分ですね。
 
 
 そして気になるデザートは・・・。バニラアイスのうなぎパイを添え。

 濃厚でリッチなバニラアイスにフルーツソースをかけ、サックサクなうなぎパイを添えました。皆様もご存知、『浜名湖名産 夜のお菓子』です!このうなぎパイ、実は隠し味にニンニクが入っているのだとか。ニンニクを入れることで味に深みが増し、より美味しく仕上がるようです。なめらかで口どけの良いバニラアイスに、香ばしいうなぎパイは最高の組み合わせ。夏にもってこいの、新感覚なデザートです。

 
ひつまぶしのレシピはこちらです。

【材料 一人分】
〈ひつまぶし〉
ご飯       160g
うなぎのかば焼き 50g  
長いも      10g
焼きのり      2g
卵         20g
砂糖        1g
塩         少々
油         適量

〈煎茶スープ〉
煎茶     120g
薄口しょうゆ   3g
塩      0.2g
出汁     150g


【レシピ】
〈ひつまぶし〉
1.うなぎの蒲焼きは5センチにカットし、長いもと焼き海苔は千切りする。
2.卵は溶きほぐして砂糖、塩を加え、薄焼き卵を作って細く切る。(錦糸卵)
3.器にご飯を盛り、海苔、錦糸卵、長いも、うなぎの順で盛りつける。

〈煎茶スープ〉
1.鍋に煎茶と出汁を入れ、沸いたら塩を加える。
2.火を止めて薄口醤油を入れる。(最後に入れることで、風味よく仕上がります。)



 朝食にも実は、土用の丑の日に因んだ特別メニューをご提供しました。
〈クロワッサンのかば焼き風 グリルチキンサラダ、大豆とトマトのスープ、カスピ海ヨーグルト

 こちらは、うなぎのかば焼きに見立てたクロワッサンです。あまりの斬新なアイデアに驚かれた方もいらっしゃると思いますが、召し上がった患者様からは「話題性があって楽しい。」「見た目以上に、美味しくて驚きました。」というお声をいただき、目と舌で楽しく召し上がっていただけたようです。
 
 土用の丑の日メニューは、至る所にうなぎが登場する、豪華で斬新(?)なお食事となりました。
 皆様も、うなぎに因んだお料理をぜひお試しくださいね。