こんにちは。管理栄養士の横道友理子です。
眩しく光る太陽の下、セミも元気に鳴き始めてきました。皆様はこの夏、どこかお出かけされるのでしょうか?夏バテなどしないよう、栄養と睡眠はしっかりとってくださいね。
さて、昨日7月25日は土用の丑の日でした。日本では江戸時代より、この日にうなぎを食べる習慣があります。暑い夏を乗り切るため、栄養豊富なうなぎを食べることは万葉集の中でも詠まれていたようです。
暑さで食欲が低下し、体もぐったりしがちなこの時期。うなぎを食べて元気にお過ごしいただければと、お食事を『土用の丑の日バージョン』にてご提供しました。
昼食〈うなぎのひつまぶし、茄子とみょうがの胡麻酢和え、奈良漬け、煎茶のスープ、バニラアイスのうなぎパイ添え〉
国産(愛知県)の貴重なうなぎをかば焼きにした、ひつまぶしのメニューです。うなぎは身がふっくらと厚みがあり、脂がほどよくのって十分な食べ応え。下には錦糸卵、千切りした長芋、アクセントにきざみ海苔を敷きました。錦糸卵の優しい甘さと、長芋のシャキッとした食感がジューシーなうなぎとマッチして、ご飯がよく進みます。うなぎは、冒頭で述べたように栄養がとっても豊富です。中でもビタミンB1、B2、A、Dが多く、疲労回復や風邪予防に効果的。魚の中でも脂質が高くなりますが、DHAやEPAなど不飽和脂肪酸を多く含むので、血液をサラサラにしたり、記憶力や集中力を高める働きが期待できます。
副菜には、茄子の胡麻酢和えと奈良漬けをお付けしました。今が旬の茄子とみょうがは相性が抜群!みょうがは独特の香りがありますが、これはアルファピネンと言って血液の循環を良くしたり、体温を上げて発汗作用を促します。また、胃を活発化させて食欲を増進させるので、今の時期にはぴったりな食品と言えますね。奈良漬けは、まくわうりを酒粕で漬けたもの。口に入れるとふわ〜っとお酒の香りが広がり、箸休めにちょうど良い一品です。
最後の締めは、お茶漬けにしてさっぱりと召し上がっていただきました。奥に見えるポットがお茶漬け用の煎茶スープ。煎茶に出汁としょうゆ、塩を加えたとってもシンプルなスープです。同時に二つの美味しさが楽しめるなんて、ちょっと得した気分ですね。
そして気になるデザートは・・・。バニラアイスのうなぎパイを添え。
濃厚でリッチなバニラアイスにフルーツソースをかけ、サックサクなうなぎパイを添えました。皆様もご存知、『浜名湖名産 夜のお菓子』です!このうなぎパイ、実は隠し味にニンニクが入っているのだとか。ニンニクを入れることで味に深みが増し、より美味しく仕上がるようです。なめらかで口どけの良いバニラアイスに、香ばしいうなぎパイは最高の組み合わせ。夏にもってこいの、新感覚なデザートです。
ひつまぶしのレシピはこちらです。
【材料 一人分】
〈ひつまぶし〉
ご飯 160g
うなぎのかば焼き 50g
長いも 10g
焼きのり 2g
卵 20g
砂糖 1g
塩 少々
油 適量
〈煎茶スープ〉
煎茶 120g
薄口しょうゆ 3g
塩 0.2g
出汁 150g
【レシピ】
〈ひつまぶし〉
1.うなぎの蒲焼きは5センチにカットし、長いもと焼き海苔は千切りする。
2.卵は溶きほぐして砂糖、塩を加え、薄焼き卵を作って細く切る。(錦糸卵)
3.器にご飯を盛り、海苔、錦糸卵、長いも、うなぎの順で盛りつける。
〈煎茶スープ〉
1.鍋に煎茶と出汁を入れ、沸いたら塩を加える。
2.火を止めて薄口醤油を入れる。(最後に入れることで、風味よく仕上がります。)
朝食にも実は、土用の丑の日に因んだ特別メニューをご提供しました。
〈クロワッサンのかば焼き風 グリルチキンサラダ、大豆とトマトのスープ、カスピ海ヨーグルト〉
こちらは、うなぎのかば焼きに見立てたクロワッサンです。あまりの斬新なアイデアに驚かれた方もいらっしゃると思いますが、召し上がった患者様からは「話題性があって楽しい。」「見た目以上に、美味しくて驚きました。」というお声をいただき、目と舌で楽しく召し上がっていただけたようです。
土用の丑の日メニューは、至る所にうなぎが登場する、豪華で斬新(?)なお食事となりました。
皆様も、うなぎに因んだお料理をぜひお試しくださいね。