茶色いえのきと白いえのき

 こんにちは。管理栄養士の横道友理子です。
 急な土砂降りが多く、不安定な天気が続いていますね。
 先日、歩いていたらとってもお洒落で可愛い傘をさしている方を見かけました。雨だと憂鬱になりがちですが、傘が可愛いとさすのが嬉しくなり、雨もそれほど苦痛ではなくなるものだなーと感じました。

 実は食べ物にも、傘をもつものがあります。
 それは・・・

 きのこ!種類によって色や形が異なり、低エネルギーで食物繊維が豊富なので、ダイエットには嬉しい食材です。椎茸やえのきはだしにもなり、減塩効果も期待できます。
 
 先日は、きのこ入りのお味噌汁をご提供しました。

 きのこ入りの味噌汁なんて普通じゃないか、と思われた方!そんなありきたりなことは、ブログにアップしません。(おそらく)
 実はこのきのこ、”かきの木茸”というもので、普通とはちょっと違うえのきなのです。通常の白いえのきに比べてアミノ酸が3倍!特に人間の体では作られない必須アミノ酸を多く含みます。アミノ酸は、免疫力を高めたり筋肉量の保持、皮膚の再生など体の機能には欠かせないもの。不規則な生活で免疫力が低くなってしまっている方には、気にしていただきたい栄養素です。
 調理法は様々ですが、加熱するとなめこのようなヌメリを生じ、甘みのあるだしが出るので今回のような汁物にしたり、煮物にしても美味しいです。コリコリした歯ごたえも、”かきの木茸”ならではの特徴です。

 こちらが、調理前のかきの木茸。
 
 見慣れない方もいるでしょうか?なんだか怪しい茶色をしていますが・・・

 一般的にスーパーなどで売られているのは白いえのきですね。実はこのえのき、人口で栽培されているのです。もともとの姿は茶色いしめじのような形をしていて、森の中に生育しています。
 それがこちら、野生のえのきです。

 白いえのきに比べると、傘が大きく何ともワイルド。茎は短く、なめこのようにも見えますね。 自然で育ったものの方が良さそうに思えますが、「料理に入れると色が茶色くなる。」という消費者の声が多くあったことで、料理の色を邪魔しない白いえのきが開発されたようです。
 
 人が作ったとは始めて耳にした方もいるかと思いますが、

 このように少量づつ、瓶の中で丁寧に育てているとのこと。美味しく食べられる茎の部分が長くなるよう工夫し、大きさと長さを揃える為に温度や湿度、光の調整を慎重に行っているようです。

 確かに白いえのきは色もきれいで、どんな料理でも使える重宝なきのこです。和え物やソテー、汁物など、色々な料理に入れられますね。

 ただ、最近になって野生えのきの魅力を生かした、消費者向けのえのきが開発されるようになりました。それが、今回ご紹介した”かきの木茸”なのです。より天然ものに近づけることで、栄養価が上がるのも理解できます。
 
 今では野菜に限らず、食べる方の立場にたって考えられた食材が、どんどん出てきています。
 栄養士である私も、知らないものが増える増える・・・

 できればアレルゲンの低い野菜や果物が開発されればと、思ったりしますね。