新嘗祭御膳

11月23日は勤労感謝の日ですが、祝日の由来は古(いにしえ)からの収穫祭である新嘗祭(にいなめさい)にあります。

新嘗祭宮中祭祀のひとつで、11月23日に天皇が五穀の新穀を神に捧げ、また自らも食して、その年の収穫を感謝するという祭事です。

本日はその新嘗祭にちなんで、おいしい五穀米御飯と秋の味覚を楽しめる「新嘗祭御膳」をご賞味いただきます。


新嘗祭御膳』



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◇御飯: 里芋の五穀米御飯

新嘗祭の主役である五穀米を里芋と一緒に炊き込みました。

五穀米御飯のほのかな色は、香る程度につけたお醤油です。香ばしいカツオ節の香りが食欲をそそります。五穀米はたくさんのミネラルと栄養素を含んでいるので、お米の一粒一粒をよく噛めば噛むほど、その旨味とともに栄養をたっぷり摂り込めます。

炊き込んだ里芋は柔らかくて、自然の甘味がたっぷり。丹念にぬめりを取ってから炊き込んであるので、程よい硬さの五穀米の歯応えをじゃますることなく、里芋の柔らかい食感が絶妙にマッチして、とてもおいしい噛み心地の御飯になっています。



◇吸い物: 清汁仕立て(新嘗祭

薄口でやさしい味わいのお吸い物に、手作りの大きな揚げボールが入っています。

この揚げボールは魚のすり身と桜海老、銀杏、木くらげを、卵白と大和芋のつなぎで揚げてあります。すり身の旨味と桜海老の香ばしさがいっぱいに詰まった、おいしくて具沢山な練り物に仕上がりました。清汁に浮かせた繊細な針ねぎが練り物の油気を消しさり、三つ葉の香りがお口を爽やかにしてくれます。



◇煮物: 大根の味噌田楽

田楽味噌をたっぷりとのせた大根に、茄子、海老、スナップエンドウ、さつまいもを盛り付けて、秋の彩りを演出しました。

みずみずしい大根は箸で切れる程度の程よい柔らかさです。秋から冬にかけて甘味を増す大根は水分を多く含んでいて、口に入れるとおいしい汁が溢れ出します。田楽味噌には、しっかりしたコクと上品でまろやかな風味の京桜味噌を使い、砂糖と醤油を加えて丹念に練ることで、深みのある豊かな甘味と香ばしさをもった田楽味噌に仕上がりました。

茄子も、この時期のものは「秋茄子」と区別されるほど特に味が良く、溢れ出すみずみずしい汁と甘い田楽味噌と相まって、特別なおいしさを生んでいます。秋の紅葉を感じさせる彩りの海老はぷりぷりの食感で、お肉の甘味が味わえます。鮮やかな緑でしゃきしゃきのスナップエンドウと、黄色のイチョウを象った甘いサツマイモも、それぞれに秋の味覚のおいしさと食感を味わえます。



◇焼物: サーモンのホイル焼き


サーモンとキノコとポテトのおいしいハーモニーが楽しめるホイル焼きです。しいたけ、しめじ、エリンギ、えのきをバターで炒め、蒸してつぶしたメークイーンで合わせた上にサーモンの薄切りを載せて、ホイル焼きにしています。サーモンの旨味とキノコのバター炒めのおいしさを、柔らかく蒸されたポテトが見事につないで、味の相乗効果を生んでいます。

サーモンの塩気だけでも十分おいしいのですが、お好みでレモン醤油をかけていただくと、また爽やかに変身! レモン醤油の旨味をポテトが吸い込んで、いっそう風味豊かな味わいになりおいしさが増します。






◇和え物: おかひじきのお浸し

おかひじきの鮮やかな緑色にカニ身の紅色が映えて、目にもおいしいお浸しです。

歯触りのよいおかひじきのお浸しには、香り豊かな根三つ葉を合わせて、風味にアクセントを加えています。ほぐしたカニ身は柔らかくて甘味があり、ぷちぷちとはじける食感が魅力のとんぶりもお浸しとよく絡んで、心地よい歯触りと香りを楽しめる一鉢です。

おかひじきに豊富に含まれるカロチンは免疫力を高める効果があり、カリウムは身体の水分量を調節してむくみの解消に役立ちます。また、骨を丈夫にしたり、神経の安定に役立つカルシウムをはじめ、ビタミンC、K、A、鉄分などのミネラルもたっぷり含まれています。おいしく食べて、身体の回復に役立ててくださいね。



◇デザート: モンブラン

栗の甘露煮とコーヒーを合わせてペースト状に練り、ほろ苦い味わいのモンブランを作りました。
モンブランペーストの舌には甘いふわふわの生クリームの甘さとコーヒーのほろ苦さが脳を刺激して、深い甘味を楽しめるスイーツです。


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これからクリスマス、大掃除、お正月とイベントが目白押しです。身体を冷やさないよう、また風邪を引かないように気をつけて、年末年始を元気に楽しく乗り切りましょう。