七草粥

明けましておめでとうございます!

今年のお正月は強い寒波の影響で東京でも連日10℃に届かない寒い日が続いています。寒い日には体調を崩しがちになりますので、どうぞお気をつけください。

さて今日の1月7日には、昔から1年の無病息災を願って七草粥を食べる風習があります。この七草粥は朝食べるのがよいとされていて、病棟でも朝食に七草粥を召し上がっていただきました。

この日に食べる春の七草とは、せり、なずな、ごぎょう、はこべら、ほとけのざ、すずな、すずしろ。七草粥には、お正月に食べ過ぎて疲れた胃を癒すという目的もありますが、最近ではハーブとしての効能にも注目されているようです。今日は七草ひとつひとつの栄養と効果をご紹介します。

◇せり

「せり」は小川のほとりや水田などの湿地に生えていて、七草粥には若い芽を摘んで使います。独特のハーブの香りが好まれて、スーパーなどでも手に入ることがあります。春の七草の中ではビタミンAとB2がとくに多く、この2つのビタミンはお肌の健康や髪、爪、視力の回復に役立ちます。この他にも産後のお母さんの身体に必要なカルシウムや貧血を防ぐ鉄分、傷の治りに役立つビタミンC、便秘の解消に役立つ食物繊維を多く含んでいます。

◇なずな

「なずな」は「ぺんぺん草」の呼称でよく知られる野草で、七草粥には葉の部分を用います。身体の元となるたんぱく質やビタミンA、B1、B2を多く含んでいて、産後の回復に役立ちます。また貧血の回復に効果がある鉄分、マンガンが豊富なほか、葉に含まれるアセチルコリンカリウムには血圧を下げる効果があり、高血圧の予防にも役立ちます。

ごぎょう

キク科の植物で、別名「母子草(ははこぐさ)」とも言います。茎葉の若いものを食用にします。ごぎょうに含まれるヒトステロール、ルテオリングルコシド、カリ塩などが扁桃腺炎や気管支炎の予防に役立ちます。

◇はこべら

ナデシコ科のハコベ属の一種で、「ハコベ」とも呼ばれます。利尿作用が期待できます。

ほとけのざ

「たびらこ」や「こおにたびらこ」とも呼ばれるキク科の植物で、胃の疲労回復や整腸作用があり、風邪の回復にも役立ちます。
地面に葉をしっかりと広げた姿から「仏の座」と呼ばれました。現在「ほとけのざ」という同じ名前で住宅地に繁殖しているシソ科の植物は別物です。

◇すずな

「かぶ」のこと。消化酵素のジアスターゼが多く含まれ、食物繊維も豊富です。葉にはビタミンA、C、カルシウムや鉄分、ビタミンKが含まれていて、疲労回復と精神の安定に役立ちます。

◇すずしろ

「だいこん」のことです。葉にはビタミンC、B1、B2、リン、カロテン、鉄分が含まれていて疲労回復に役立ちます。日常的に食べる根の部分には消化酵素のジアスターゼ(でんぷん分解酵素)、アミラーゼ(たんぱく質分解酵素)が多く、食事の消化吸収を助けて胸焼けを防ぐ効果があります。