今年の秋はいつまでも暑くて、季節が一月ずれているような陽気ですが、それでもちゃんと美しい秋空が見られるようになり、中庭の金木犀もようやく咲き揃って芳しい香りを漂わせています。
「この病院では金木犀が咲いたら、金木犀のメニューが出るのよ」とスタッフのOさんが教えてくれました。そう、まさにそのとおりに本日の病棟では、秋の彩り豊かな「金木犀御膳」をお楽しみいただきました。
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◇御飯:栗おこわ
秋の味覚の定番"栗"ともち米をくちなしで色づけした栗おこわ。金木犀の花のように鮮やかな彩りが食欲をそそります。
もち米のもちもちとしてしっかりした歯応えとホクホクの栗の自然な甘味で、確かな満足感を得られるご飯です。
<もち米、栗、くちなし、黒ごま、食塩>
◆椀物:すまし汁
彩り豊かなお清汁には、これからが旬のカルシウム豊富な春菊と菊花(黄色・紫)、それに紅葉麩を浮かべて秋の情景を描きました。
薄い上品な味付けのお汁に春菊のシャキシャキした歯触りと、菊の花のしっとりとした食感、やわらかな紅葉麩の舌触りも心地よく、目にも味にも癒されるお清汁です。
<春菊、菊の花びら、紅葉麩、長ねぎ、だし汁、食塩、うすくちしょうゆ>
◇蒸し物:鯛の蒸し物 金木犀あん
鯛を湯葉で巻き、舞茸、かぶ、いんげん、人参を添え、そこに香り豊かな桂花茶(キンモクセイ茶)入りのあんをかけてとろみをつけました。
ふっくらと蒸し上げられた鯛を、しっとり柔らかな湯葉一緒にあんを絡めていただけば、上品な香りとお魚の旨味が引き立ってお口いっぱいに広がります。
彩りに添えられたいんげんは歯応えが心地よく、味と食感がおいしい舞茸、とろとろに煮詰められて味の染みたかぶ、やわらかでほんのり甘い人参と、それぞれの旨味が生きた、おいしい一皿です。
<鯛、大豆湯葉(生)、ゆでいんげん、舞茸、人参、かぶ、うすくちしょうゆ、本みりん、桂花茶、片栗粉>
◆揚物:丸十海老挟み揚げ
ホクホクのさつまいもの甘味とむきえびの旨味が良く合うはさみ揚げ。
しめじ、銀杏、アスパラも、それぞれに秋に味覚とおいしい食感が楽しめます。すだちをかけてお召し上がりください。
<むきえび、さつまいも、しめじ、グリーンアスパラ、ぎんなん、すだち>
◇和え物:柿、椎茸、きゅうりの白酢和え
柿、椎茸、きゅうりを白和え風に仕上げました。
柿の甘味と練りごまの豊かな風味がお口いっぱいに広がって、フルーツサラダのような味わいを楽しめます。
しっとり滑らかな舌触りを演出しているのは絹ごし豆腐。つめたくて美味しい、食が進む一品です。
<柿、きゅうり、生しいたけ、絹ごし豆腐、練りごま、上白糖、うすくちしょうゆ、酢>
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◆デザート:金木犀ゼリー
ゼラチンに桂花茶を入れたゼリーに、桂花陳酒シロップをかけた、金木犀の香りたつデザートです。
<水、桂花陳酒、桂花茶、ゼラチン、上白糖、片栗粉>