50℃洗い調理法

最近、TVやネットで話題の「50℃洗い」の調理法というのをご存知でしょうか? それは食材を調理する前に、50℃のお湯で洗ってから調理するとおいしくなるというものです。

50℃といえば即座にやけどはしないものの、とても手をつけてはいられないほど熱い温度。 例えばお肉を50℃で洗ったら… 熱が通っちゃうじゃない! と思いますが、確かに肉の表面は熱を通したように白くなるのですが、10〜15分も置くと蘇ったように新鮮な色を取り戻します。 そうしてから調理をすると、本当に新鮮なお肉を調理したようにおいしくなるというのです。


本当かな〜? と思いつつ、スタッフ"S"も安い鶏のむね肉で試したところ、半分は買ってきたままで、半分は50℃洗いをしてから焼いて比べてみると、50℃洗いをした方はパサパサ感がなく、むしろモチモチした食感でおいしくなりました。

これはどうやらお肉の表面の酸化した脂が50℃のお湯で洗い落とされて、細胞の中の水分が膨らみ、みずみずしい食感になるらしいです。

TVやネットでは、お肉の他にも魚介類やお刺身でさえも、50℃洗いで蘇ったようにおいしくなると伝えていました。 さらに驚くことには、野菜や果物を50℃のお湯で洗うと新鮮さが蘇るばかりでなく、日持ちするようになるというのです!

これもスタッフ"S"がレタスで試してみました。 丸のまま買ってきたレタスの芯をとって、大き目のボウルに張ったおよそ50℃のお湯の中でほぐすように洗い、さっと冷たい水をくぐらせてから水を切り、大き目のジップロックに入れて野菜室に保管したものから少しずつ毎日のサラダに使ったところ、4〜5日間しおれることなく、みずみずしいままでレタスを食べられたそうです。 というより、あまりにおいしくて、使い切らないように4〜5日引き伸ばすのが大変だったそうで、うれしい悲鳴を上げていました。

この野菜の効果にしても、50℃のお湯で野菜の表面の気孔が開いて細胞に水分を取り込みやすくなり、みずみずしさが蘇るということのようです。 

そういえば湯剥きしたトマトがおいしいのも、こういった効果が働いていたのかもしれませんね。 みなさんも試されてはいかがでしょう?

*50℃洗いの注意点

 ・不安定な場所や、小さなお子様のそばではやらないでください。
 ・48℃〜52℃くらいが適温。
  43℃以下では雑菌が繁殖しやすくなるので、やらないでください。
 ・薄切りのお肉やひき肉は脂が溶けてしまうのでNGです。
 ・お肉や魚介類は、50℃洗いしたら保存せず、すぐに調理すること!
 ・野菜は必ず水を切り、冷蔵庫で保存すること!


ちなみに「50℃洗い」のキーワードでいろいろ調べていたら、お花屋さんには切り花をみずみずしく保つためにお湯と冷水につける「湯上げ」というテクニックがあるそうで、それも同じ効果なのかもしれませんね。