中秋の名月

 こんにちは。管理栄養士の横道友理子です。昨夜は、「中秋の名月」でした。中秋とは、旧暦8月15日に見られる月のことを言いますが、今年は例年に比べて早く、それは38年ぶりとのことです。月が見られる地域もあったようですが、関東はあいにくの空模様でしたね。


 カフェテリアでは、中秋の名月にちなんで昨日よりススキ、お団子、野菜を飾り、一足早く秋が感じられるようになりました。白くて大きなお団子は、シェフの手作り。あまりのまん丸さに、「これ、本物ですか?」と質問される患者様がいらっしゃいました。本物と聞けば、食べたくなるのが人間の心理です。おやつにはしっかり、月見団子をおつけました。

「抹茶豆乳豆腐のお月見団子のせ」

 小豆の上にはお団子が二つ。スプーンを入れると、上品な抹茶の香りが漂います。しっかりしたその弾力はプリンのようで、ほろ苦い抹茶と、まろやかな豆乳の味が小豆の甘さとよく合い、食感も楽しみながら美味しくお召し上がりいただけます。カフェテリアの大きなお団子に比べ、こちらは食べやすい一口サイズ。もちもち感がほどよくて、あともう一つが欲しくなりますね。 

 お月見といえば、このようにお団子を食べるのが習慣になっていますが、実は地域によってお団子の形や味、作り方、食べ方が異なります。
 例えば東北地方では、中に入るあんが「こしあん」か「黄身あん」になります。生地は小麦粉を使用しており、月見だんごというよりも、月見まんじゅうのようです。香川県、四国、中国地方では、白いお団子をあんで包むタイプです。一つずつ串で刺してあるのも特徴的です。静岡県は、平たいお団子の真ん中をへこませることで、別名「へそもち」とも呼ばれています。あんは別に添えてあり、へこませた部分に乗せながら食べるそうです。
 お月見だんご一つでこんなに違いがあるなんて、驚きですね。それぞれの地域性を活かした食事のあり方には、どんな意味が込められているのか、知れば知るほど面白くなりそうです。