ひじきのフルーツ和え

 こんにちは。管理栄養士の横道友理子です。日中はだいぶ涼しくなり、秋の風情が感じられるようになりました。
 
 入院中のお食事は、妊娠中や産後の方が多いので、他の一般病院にはない特徴がございます。元気な赤ちゃんを産むため、又は母乳をあげるために十分なエネルギーが必要なので、カロリーや栄養成分をしっかり摂ることが大切になります。その中で、今回注目していただきたいのが鉄分です。ミネラルである鉄分は、普段の食事ではなかなか摂りにくいもの。サプリメントや鉄剤に頼りがちな現代ですが、出来ることなら食品から摂ることがベストです。そこで今回、鉄分を多く摂りいれるための、ちょっとした工夫をご紹介します。
 
 
「ひじきのフルーツ和え」
 
 こちらの写真は、ひじきとりんごを和えたものです。ひじきは鉄分が多いことで有名ですが、実は体の中への吸収率は、肉や魚に比べると低いです。ですが、ビタミンCと一緒に摂取することで吸収率が上がり、より多くの鉄分を摂り入れられます。ひじきのフルーツ和えは、たっぷりビタミンCを含んだ果物を和えるという点で、鉄分の補給が充分に、それも簡単に出来ますね。

 ひじきと言うと"煮物"のイメージがあるかと思いますが、このように和え物にしても美味しくお召し上がりいただけます。
 味に関しては、ちょっと想像しがたいかもしれませんが、食べてみるとその初めて出会う美味しさに惹かれます。和風だしで、醤油のほのかな味が浸み込むひじきにりんごが加わると、ひじき独特の苦味が穏やかになります。果物は他にも、キウイやパイナップル、マスカットでも良く合いますが、透き通るようなみずみずしい甘さと、シャキシャキとした歯ごたえのりんごは、ひじきの味とぶつかることなく、すっきり美味しくいただけます。
 

鉄分の他にも、葉酸、ビタミンB12、マグネシウムは血を作るのに欠かせません。一つの食品ばかりにこだわらず、色々なものを上手く組み合わせながら、皆様もぜひ、ちょっとした工夫で鉄分の補給をしてみてくださいね。