本日の食事Q&A(和食の方が洋食より良いのでは?)

Q: ヘルシーで質素な和食の方が洋食より良いのでは?

A: 多くの方が和食に対して「安心」「安全」「ヘルシー」というイメージをもっていらっしゃると思います。実際、あえて「質素な和食」を中心とした食事を出している産院もあります。もちろん、和食は素晴らしいお料理であり、当院でも、色とりどりの“和”のお料理をお出ししています。しかし、和食を偏重することには大きな問題があります。フードコーディネーターとして活躍している管理栄養士の小山浩子さんは、次のように仰っています。

和食は、味付けに醤油や味噌、塩を多用するため、知らず知らずに塩分を取りすぎてしまう傾向にあります。また、和食のみでは、鉄分やカルシウム、たんぱく質を効率的に摂取することが難しいという問題もあります。もちろん、大豆製品や小魚等、カルシウムを多く含む食品もあります。しかし、それらの食品のカルシウムの吸収率は20%以下と低く、乳製品にはるかに及びません。  
 一般的には、和食=「安心でヘルシー」というイメージをお持ちの方が多いかと思いますが、産前、産後に必要な栄養素や、逆に摂りすぎてはいけない栄養素のことを考えると必ずしも和食が優れているとは言えません。それよりも、「ま・ご・は・や・さ・し・い*1」と言われる食材プラス乳製品を基本に、和・洋・中を取り混ぜ、盛り付けや彩、栄養摂取基準にも配慮のある、心のこもったバランスの良い食事をおすすめします。

私達は、上にご紹介した小山さんと同じ考え方で、お食事に取り組んでいます−−カロリーや栄養バランスを考え、ジャンルにこだわらず、様々なお料理を取り入れ、バラエティ豊かなメニュー作りをこころがけること。そして、栄養バランスや安心・安全は当然のこととして、その上で、おいしく、楽しく召し上がって頂くこと。

出産という人生の一大イベントを、心ときめくお食事で演出し、皆様により大きな感動を味わって頂きたい。そうした願いを込めて、毎日のお食事をご用意しています。



*1:「ま・ご・は・や・さ・し・い」とは、バランスの良い食事の覚え方です。「ま」豆類、「ご」ごま、「は」わかめ(海草類)、「や」野菜、「さ」魚(小魚)、「し」しいたけ(きのこ類)、「い」いも類。 (->参照